本を読むのが、早くないので、ときどきしか紹介できませんが、読んだ本をご紹介し、感想を書いてみたいと思います。
本を読む人は、私に限らず、自分の興味で読むのですよね。私はアレクサンダー・テクニークを学び深めていきたいという視点から、読んでいます。
最近は、ほとんどの病気の治療法が開発され、最後の砦は「脳だ」みたいなことを言われています。そんなことを言われて久しいですが、難病や、発症すると完治しにくい癌というのは、まだまだあります。
その「脳」に関する関心の高さから、「脳」にかかわる本というのは、たくさん出ています。
「脳」という言葉は出さなくても、フェルデンクライス・メソッドも、アレクサンダー・テクニークも、瞑想も、脳に多大なる影響を与えることは、言うまでもないことです。今さら「脳」と言わなくても、とも思うのですが、温故知新という視点で、学び考えてみることも有益かと思いました。
今回、読んだ本についてご紹介していきます。
体の動きに意識的になることで、脳を活性化できる、新しい回路をつくることができる。心のもちよう、潜在意識に働きかけることで、体の状態をよりよい方向に導ける(極端なことを言えば、小麦粉を「良薬」と信じ込んで飲めば、症状が改善するような)等々を、具体的な事例をもって、説明しています。
著者アナット・バニエルさんは、イスラエルで生まれて育った。フェルデンクライス博士に師事し、ニューロ・ムーブメントを提唱した、と紹介にあります。
フェルデンクライス博士(モーシェ・フェルデンクライス)は、フェルデンクライス・メソッドを1960年代に確立し、日本でも訳本や紹介の本が出版されています。
そのフェルデンクライス博士に学んだという、著者のアナットさんは、最初はフェルデンクライスの「先生(指導者)」だったんだろうか。その点については、書いていません。なぜ?
本書の中に、アナットさんがレッスンを始めたとき、迷ったことがあってフェルデンクライス博士に電話をして尋ねた、とありました。
そこらへんは、曖昧なまま、本書では、すべてニューロ・ムーブメントとして紹介説明されています。
この本を読んだだけでは、ニューロ・ムーブメントとフェルデンクライス・メソッドとの違いが、わからない。その点について、何も書いていないのが、また不可解な感じです。
本にある動き(椅子に座って、身体をねじる等)は、興味深く、読者が自分でやってみようと思える本です。訳者が、この技術を学び実践している方々なので、無理なく理解できるように工夫されていると思います。ただ、本だけを頼りに、自分1人でやってみるには、複雑な動きが多いように思えます。
「動き」という意味では、フェルデンクライス・メソッドの本にある動き(床に横になって、両脚を左右に動かす等)の方が、単純で、動いている本人が観察しやすい。私自身、フェルデンクライスの本を読んで、自分1人で動いてみて、それまで自覚していなかった動きを知覚し、いっとき夢中になったことがあります。そんな単純で、はっきりした経験というような感じでもなさそうです。