9月23日(日曜)、京都市内で「アイボディ」のワークショップ(講師ピーター・グルンワルド)がありました。
これに参加してきました。
考えてみると、2週間ほど前のことですね。感想がまとまらなかったことと、ワークショップ以降なんだか気ぜわしく過ごしていたようで、きょうになってしまいました。
アイボディのワークショップに参加しようと思った理由は、2018年2月だったか3月だったかに、妙な体験をしたからなんです。
私は、ひと月に2回ほど、赤ちゃんと保護者の方々に絵本を読むボランティアを、3年以上前からしています。
そのときも、右肩から外側に少し離れたところで、右手で絵本を持って、左手でページをめくりながら、私は絵本を読んでいました。
絵本を読みながら、私の左目が前に出ていったのです。左目に引っ張られるように「頭が前に上に」動いていったのです。
ほんの少しです。誰かが見ていても、不思議に思わないぐらい少し。でも、私自身にとっては、大きな出来事でした。
私が意識してそうしたのではなく、「自然に」それは起きました。
そして、普段よりも、左目がハッキリ見え、声が張りをもって響きました。
読んでいるあいだ中、周囲がとても明るかった。
読み終わった後、同じボランティアをしている女性が、「うまくなったわね」と言ってくれました。その言葉は、覚えています。
私は、その出来事があまりにも衝撃的でボーッとしていて、「ありがとう」と上の空で答えたのか、答えなかったのか、覚えていないのです。
あれは、なんだったんだろう?と思い続けていました。そして、アレクサンダー・テクニークを、もう一度、やり直そう、と思い至ったわけです。
ん? どうして?と思いますよね、普通。その体験と、アレクサンダー・テクニークには何の関係もない、脈絡がないように思いますよね。私も思います。
でも、そう思ったんです。
だから、私の左目の経験と、私のありようを、別の視点から観察したかったので、このワークショップに参加したのです。
「アイボディ」には、ウェブサイトがあります。検索して、そちらを読んでいただくと、より詳しくわかります。
このウェブサイトでも紹介していますが『アイ・ボディ』(ピーター・グルンワルド著 片桐ユズル訳 誠信書房 2008年)という本が出版されています。
一応、私はこの本を読んで、ワークショップに参加しました。
ピーター・グルンワルドさんは、アレクサンダー・テクニークの教師です。オーストラリアで教師養成のトレーニングを受け、今はニュージーランドでアレクサンダー・テクニークと、ご自身の開発したアイボディを教えています。
日本には2000年から来日して合宿ワークショップと個人レッスンを開催しているのだそうです。
私の参加したような1日ワークショップは、合宿ワークショップへの導入というか、入門編というか、そんなものだったようです。
9月23日の1日ワークショップでは、『アイ・ボディ』の本に書かれていたことを、わかりやすい言葉で説明してくれました。
私が本を読んでよくわからなかった「脳の視覚機能には、2つのタイプがある」ということについて説明がありました。説明してもらって、何となく理解できたように思います。
「アイボディ」メソッドの大前提として、人間は「目で見る」のではない、「脳で見る」。だから「目玉は脳の前線基地」。この目玉を通して視覚情報が入ってくる、この情報を視覚野が認知する。この認知傾向に、2つのタイプがある、というのです。
アイボディの原理の1つで、
「脳の視覚野の働き方には、生まれつき2つの基本的なタイプ(拡張型と収縮型)がある。これは意識によって変えることができる」
「視覚がどのようにあるのか、というのは、脳と目と体とを支配している」
興味深い。
けれども、それを理解するには、感覚を研ぎ澄まさなければいけない……。
まだまだ浅はかな私の独断と偏見による、今のところのアイボディの理解は、
アレクサンダー・テクニークの原理の1つに「プライマリー・コントロール(初原的調整作用)」というのがあります。これを、もっと微細に見ていくと、脳の視覚野における認知状況が、からだ全体のバランス等々ありようを決める、というふうな考えのようです。
ピーター・グルンワルドさんが考案した視覚を意識的につかう方法を繰り返し練習することで、感覚を研ぎ澄ます(これによって、視力が若干よくなるようです)。
もっと脳の視覚野と身体全体を統合したい人は、アイボディを教えることが出来るアレクサンダー・テクニーク教師のレッスンを受けるのがよい、というふうなことのようです。
(2018年11月にピーター・グルンワルドさんが来て合宿と個人レッスンがあるのです。私は諸般の事情で参加出来ないのですが。)
ワークショップのお持ち帰り知識としては、参加者全員の「脳の視覚野のタイプをピーター・グルンワルドさんが識別してくれる」というものがありました。
私のタイプは「右目が拡張型、左目はアンダーだから、わからない」と、ピーターに言われました。
アンダーというのは「適正露出以下の露出で撮影された写真は露出アンダー(英:Underexposure あるいは単に「アンダー」)といい不自然に暗く写る」
。このアンダーのようです。
この言葉をもとに、私自身を観察してみると、
今年2月か3月に、絵本を読んだときの体験が、何となく今の時点での理解が得られたような気がします。
視覚と、からだ全体のありようは、興味深い。
この経験を忘れず、観察し実験を続ければ、発見がある。それは、私に喜びをもたらしてくれるだろうと思うと、わくわくしています。