アレクサンダー・テクニークの会 ブログ

レッスンを始めました。レッスンのご案内、日々の気づきや、思うこと考えることを書きたいと思います。

アレクサンダー・テクニークは「癒やしをもたらす」技術では、ありません。

 突然ですが、「アレクサンダー・テクニークを究極の癒やしをもらす」と言った人がいたとか。


 私はアレクサンダー・テクニークを学び続ける者として、「アレクサンダー・テクニークは、癒やしをもたらす技術ではありません」と書きたい。

 

 さて「癒やし」とは、あなたにとって何でしょう?
 ネットで調べると以下のような説明が出てきます。

 

 いやし【癒やし】
肉体の疲れ、精神の悩み、苦しみを何かに頼って解消したりやわらげたりすること。 [補説]昭和60年(1985)頃からはやりだしたか。 2016年に実施した「あなたの言葉を辞書に載せよう。 2016」キャンペーンでの「癒やし」への投稿から選ばれた優秀作品。

 

 確かにアレクサンダー・テクニークは、より楽な身体の使い方を学ぶ技術です。「肉体の緊張は、精神的な緊張に翻訳される」みたいなことを、創始者FMアレクサンダーは、書いていました。

 アレクサンダー・テクニークは、学ぶ者(あなたも私も)が、自分自身をより自由な方向へ解き放つのを助ける技術です。解き放つのは、技術ではなく、先生ではなく、学ぶ者なのです。

 アレクサンダー・テクニークの先生というのは、私はファシリテーター(目標達成のため準備を手伝う人、物事の進行を促進する人)のような存在だと考えています。

 

 どうも「癒やし」と言う言葉にある、どこか「自分自身ではない、誰かに癒やしをもらたしてもらう」というニュアンスが気になるのです。
 たぶん、その「癒やし」は、万人に共通するものではなく、とても個人的なもののようなニュアンスがあります。

 下世話な話をすれば、ある人には、性的な事柄が「癒やし」になるかもしれないし、ある人には性的な事柄が「嫌悪すべき事柄」かもしれません。
 
 だからアレクサンダー・テクニークを教える先生は、「癒やしをもたらすことはできない」のです。アレクサンダー・テクニークは、身体にアプローチする技術です。そして、それは同時に精神にも影響を与えるでしょう。

 

 アレクサンダー・テクニークを学ぶ過程において、呼吸が楽になり心が穏やかになり、よりよく眠れるようになったら、もしかしたら、それを「癒やし」と呼ぶ人がいるかもしれません。