アレクサンダー・テクニークの会 ブログ

レッスンを始めました。レッスンのご案内、日々の気づきや、思うこと考えることを書きたいと思います。

「よい姿勢」「正しい姿勢」と「かっこいい(魅力的、心引かれる)」という言葉を使うとき

 どんなときに「よい姿勢」とか「正しい姿勢」とかという言葉を使っているのか、考えてみました。

 

 「かっこいい(魅力的、心引かれる、美女、美男)」な人が「よい姿勢」でしょうか。もちろん、そういう人もいると思います。

 

 女性でも男性でも、洋服や下着のモデルさんのように、「かっこいい(魅力的)」人には誰でも、憧れます。この基準は、世界中で共通ではなく、日本や韓国では、男性も女性も、ほっそりしていて、手足の長い体の人は「かっごいい」。ヨーロッパや南北アメリカでは、男性は筋肉がしっかり付いて引き締まった体の人が「かっこいい」らしいです。

 これはネット情報なのです。中国や東南アジア、アフリカ大陸で「かっこいい」人の流行は、どんなふうだろうと思ってしまいます。

 

 まあでも、こういう「かっこいい(魅力的)」流行は、人間だったら無視できないことです。
 他人からどう見えようとかまわない、という意見の人でも「他人からどう見えるか」ということを意識した上で「かまわない」と考えているということは、やはり「他人からどう見えるか」を気にしていることですからね。
 人間は「人と直接、会うのが苦手」という人でも、やはり集団の動物なので、人間との関わりをまったく無しにして生きることは、難しいのではないでしょうか。 まあ、自分の中の「かっこいい(魅力的)」が、他人と微妙に異なることは、普通にあることです。

 ただ「かっこいい(魅力的)」な人が、「よい姿勢」「正しい姿勢」かというと、ちょっと違う感じがします。

 「かっこいい(魅力的)な人」というのは、手足が長いとか、ほっそりしているか、筋肉がしっかりした引き締まっているとか、体の状態のことを示しているように思います。素敵な洋服を着ていたり、着こなしが「かっこいい(魅力的)」な人もいます。この場合も、やはり、今ある状態のことを指して「かっこいい(魅力的、心引かれる、美女、美男)」と言うのだろうと思います。だから「よい姿勢」「正しい姿勢」ではない、「かっこいい(魅力的)」な人もいる。

 

 一方、「よい姿勢」とか「正しい姿勢」という言葉は、
「猫背じゃない? もっと姿勢よくした方がいいわよ」とか、「腰がフラフラしているぞ、しっかり立て。もっと姿勢よく」とか。
 足腰の痛みを解消しようと、医院や整骨院などに行ったときに、遠回しに「姿勢が悪いから、そのような痛みがでるので、姿勢を正しくするように」と先生から言われるとか。
 「美しく歩くための(体操)講座」とか「高齢による転倒防止のための(体操)講座」とか、そういうところで「よい姿勢、正しい姿勢になる」ための体操を指導してくれたりしています。
 「よくない(悪い)姿勢」に対して、「よい姿勢、正しい姿勢」という言葉を使っているように思います。

 そして、こう見ていくと「姿勢」というのは、状態よりもっと動きのあるもの、1カ所に留めておけないものを示している言葉のようです。


 考えてみると、「よくない(悪い)姿勢」というのは、「(重力があるので)地面に向かって落ちていく体重の1部分を、体の特定の箇所で支えようとしながら、動いているような」ふうに感じます。

 

 ちなみに国語辞典によると、「姿勢」というのは、①からだの「構え」また「格好」②物事に対する「心構え」または「態度」なんだそうです。